▼日本の最先端技術でスマートタウンを建設
2018年、ホーチミンが日本の最先端技術を結集した“スマートタウン”の建設に着手します。日本の住友商事、三菱重工業など20社以上と経済産業省が参加し、自動運転技術を使ったバスや、ITを活用した省エネルギー設備を備えた都市(首都ハノイの中心地から北に車で15分ほどの土地)を2023年までに完成させる計画です。
ベトナムは都市部の交通渋滞や大気汚染などの多くの課題に直面しており、スマートタウンの建設は必要不可欠な選択肢です。特に都市開発が進むことで、環境やインフラ、生活の質に及ぼす影響をコントロールしながら、経済発展を支援するためには、世界中の最先端の技術が必要となってきます。
▼スマートタウン計画、4つの目標
スマートタウンの開発を促進するために、2017年11月26日にホーチミン市の指導者が2025年に向けて「スマートタウンプロジェクト」を発表しました。具体的には、4つの目標によって都市の問題を解決していきます。
・経済成長率の持続的な確保
・効果的な都市の政府機能。
・生活環境の質の向上
・環境、インフラの強化
ホーチミンがスマートタウンになるという目標を達成し、アジアの主要都市のひとつになるという構想です。地元当局から40億ドル(約4400億円)の投資認可が下り、住友商事などが10億ドルの初期投資を行います。
▼世界有数の親日国、ベトナム
ベトナムは世界有数の親日国で、日本とベトナムの関係は非常に良好な段階にあります。2017年、安倍首相のベトナム訪問と、天皇陛下皇后陛下のベトナム訪問は二国間における画期的な出来事でした。
なによりも、日本企業は投資のためにベトナムを選ぶということは、とりわけ政治、安全保障、高品質な労働力の安定性のためだと言えます。これはアジアの他の国々と比較しても、ベトナムの優れた利点です。
特にホーチミン市では、近年整備されてきたインフラが、日本企業に大きな魅力をもたらし、1300以上の企業が都市やベトナム南部に投資を拡げています。特に、ホーチミン市の日本企業は952社に達しています。2018年にも、日本企業の数は増え続けると言われています。
ホーチミン市は経済成長が著しい都市であり、人口の増加や観光の需要も増加しています。ベトナムの都市は交通渋滞や劣悪な住環境などの問題を抱えています。その問題を解決するために先端技術を活用したスマートタウンの開発があり、それによって都市経済の成長を促進させようとしています。
▼日本政府も支援
スマートタウン構想の計画は、ホーチミンにとって必要不可欠な重要プロジェクトであり、現在は先端技術を導入した日本の大手建設会社と協力して行っています。スマートタウンへホーチミン市を導くための準備が整っていることを日本は国をあげて示しています。日本にとっても、アジアで影響力を増している中国の広域経済圏構想「一帯一路」に対抗する上でも、ベトナムとの関係を強化する意味は大きいと言えます。
2018年、ホーチミン市にある日本大使館は、ホーチミンおよび南部諸州と引き続き、両国の事業活動を促進するために密接に協力していく予定です。日本の企業が投資する資金に加え、日本の政府開発援助(ODA)も活用しています。日本は官民一体となって、ベトナムとの経済関係をさらに発展させるために最善の努力を続ける、という考えです。