いま流行っている海外留学の話です。今から10年以上前、私は約30〜40人のグループの一人として、ベトナムから日本へ留学しました。誰もが非常に若く、“日出ずる国”日本で意欲に満ちていました。
来日すると、みんなお金を稼ぐために何でもやります。10万円、20万円、30万円、100万円…、ベトナムへ仕送りすると、家族に感謝され、周囲の人から褒められます。残念ながら、お金のために悪いことに手を染めてしまう学生もいます。
学生たちは貧しいので、授業料を払いながら、自分自身を養っていくのは非常に困難です。もちろん、勉強を続けるのにも生活するのにも、多くの支出がかかります。
そして、学生は日本で留学費用の借金を払い続けますが、8年かかってもまだ完済できません。ベトナムの家族の多くは、その事実を知りません。ベトナムの家族に電話しても、お金の心配はさせないように、自分にプレッシャーをかけています。
しかし、とにかく学校を卒業しなければなりません。なぜなら、それは自分の世界を切り拓いてゆく、知識という指針なのですから。働きながら日本の学校で勉強についていくのは、遊ぶ時間もなく、ストレスもかかり、非常に辛い生活です。そうった現実をベトナムの社会は、あまり理解していません。目先のお金につられて、アルバイトばかりして落第する人は、日本に来てから2〜3年後、ビザが切れて強制送還されるか、道を踏み外して刑務所へ行くことになります。
私は8〜9年日本で勉強を続けています。まだまだ貧しいですが、学ぶことはとても楽しいです。私は仕事を愉しみながら、余暇には毎週好きなスポーツをしたり、ベトナム人留学生や日本人学生と一緒に勉強したり、中国や他の学生たちと国際交流もしています。大学を卒業後、私は欲しいものを手に入れ、収入の範囲で好きなことが可能になりました。
あなたも海外で自分を高めることが出来ます。留学は苦労もありますが、将来に向けて多くのことを試してみてください。